けいざいの温度計

マネーストック(M2・M3)

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この指標を発表しているのは 日本銀行

残高の推移

最新値(2026 年 9 月、速報値)/ 平均残高

M2

現金+国内銀行などの預金

1,295.6兆円

M3

M2 +ゆうちょ銀行・農協など

1,638.3兆円

M1

現金+普通預金など

1,081.9兆円

広義流動性

M3 +投資信託・国債など

2,344.3兆円

マネーストック 平均残高(兆円)

世の中に出回っているお金の量。どこまでを「お金」に数えるかで指標が分かれる

※ 残高は現行統計が始まった 2003 年 4 月以降のみ。それ以前の旧統計(マネーサプライ)は対象範囲が違い、そのままつなぐと段差ができるため掲載していません。

前年同月比の推移(1980 年〜)

最新値(2026 年 9 月、速報値)/ 前年同月比

M2

現金+国内銀行などの預金

+2.0%

前月の前年同月比から 0.0 pt

M3

M2 +ゆうちょ銀行・農協など

+1.2%

前月の前年同月比から 0.0 pt

M1

現金+普通預金など

-0.2%

前月の前年同月比から -0.2 pt

広義流動性

M3 +投資信託・国債など

+4.3%

前月の前年同月比から -0.1 pt

マネーストック 前年同月比(%)

コロナ禍の急増が山として見える。「全期間」にすると 1980 年からの推移とバブル期の 2 桁増も確認できる

※ 前年同月比は日本銀行が旧統計(マネーサプライ)と接続して公表している値。2004 年 3 月以前は旧統計ベースです。

マネタリーベースと比べる(日銀のお金は世の中に届いたか)

起点:

マネタリーベースと M2 の伸び(2013 年 3 月 = 100)

異次元緩和の開始直前を 100 として、それぞれ何倍になったか

Reading guide

何を見るべきか

マネーストックとは、世の中に出回っているお金の総量のこと。 「マネー」は「お金」、「ストック」は「残高」で、ある時点で企業・家計・地方公共団体などが持っているお金を合計したものです。 銀行などの金融機関や中央政府が持っているお金は含みません。 日本銀行が毎月公表しており、以前は「マネーサプライ」と呼ばれていました。

このページでは残高(兆円)と、前年同月比(YoY) の 2 つの見方で掲載しています。 前年同月比は、1 年前の同じ月と比べて残高が何 % 増減したかを表します。

M1・M2・M3 の違いは「どこまでをお金に数えるか」

お金といっても現金だけではありません。預金もすぐに支払いに使えるので、お金に数えます。 どこまでの預金を含めるかで、指標がいくつかに分かれています。

指標 含まれるもの 最新の残高
M1 現金と、普通預金・当座預金のようにいつでも引き出せる預金。すべての預金取扱機関が対象 1,081.9 兆円
M2 現金と、国内銀行などに預けられた預金(定期預金なども含む)。ゆうちょ銀行・農協・信用組合などは対象外 1,295.6 兆円
M3 M1 に定期預金など(準通貨)と CD(譲渡性預金)を加えたもの。ゆうちょ銀行・農協なども含むすべての預金取扱機関が対象 1,638.3 兆円
広義流動性 M3 に、投資信託・国債・外債など、比較的かんたんに現金に換えられる金融商品を加えたもの 2,344.3 兆円

M の後ろの数字が大きいほど範囲が広い、と覚えておけば十分です。 ただし M2 だけは少し特殊で、M1 や M3 よりも対象の金融機関が狭い指標です。 そのため M1 が M2 の一部というわけではなく、内訳として素直に積み上がるのは M1 → M3 → 広義流動性の順です。

なぜこのページは M2 を主役にしているのか

日本銀行が現在の代表的な指標としているのは、対象が最も素直な M3 です。 それでも M2 がよく使われるのは、過去の統計とのつながりが良く、長い期間で比較しやすいからです。 報道で「通貨供給量」として紹介されるのも、景気動向指数(CI)の先行指数に採用されているのも M2 です。 このページでは M2 を主役にしつつ、M3 も同じグラフに重ねています。

世の中のお金は、銀行の貸し出しで増える

マネーストックが増える一番大きな経路は、銀行の貸し出しです。 銀行が企業に 1 億円を貸すと、その企業の預金口座に 1 億円が書き込まれます。このとき誰かの預金が減るわけではないので、世の中の預金が 1 億円増えます。 これを信用創造といいます。信用創造とは、銀行が貸し出しを通じて新しい預金を生み出すこと。逆に、借りた人が返済すると預金は消えます。

だから、マネタリーベース(日銀が銀行に供給したお金)が増えても、企業や家計が借りなければマネーストックは増えません。 上の比較グラフで 2 本の線が大きく離れているのは、そのためです。

前年同月比グラフの山と谷

グラフの期間を「全期間」に切り替えると、次の 3 つの山と谷が見えます(初期表示は直近 10 年)。

  1. 1980 年代後半(バブル期) — 土地や株を買うための借り入れが膨らみ、M2 は前年同月比 +10% 前後の高い伸びが続きました。ピークは 1990 年の +13% 台です。
  2. 1990 年代前半(バブル崩壊) — 貸し出しが急に細り、1992 年には前年同月比がマイナスに。ここから長い低成長の時期に入ります。
  3. 2020〜2021 年(コロナ禍) — 特別定額給付金と、企業向けの実質無利子・無担保融資で預金が一気に増え、M2 は +9% 台まで上がりました。バブル期以来の伸びです。

お金が増えれば物価は上がるのか

「お金の量が増えれば、そのぶん物価が上がる」という考え方があります(貨幣数量説)。 ただ、近年の日本ではこの関係ははっきりしません。M2 は 2013 年から 1.6 倍になりましたが、2021 年ごろまで 消費者物価 はほとんど上がりませんでした。 増えたお金が使われずに預金として積み上がったためで、その様子は 家計金融資産 のページでも確認できます。

日本銀行も、かつてはマネーストックを金融政策の重要な目安にしていましたが、物価や景気との関係が安定しなくなったため、いまは参考指標の 1 つという位置づけです。 単体で「多い / 少ない」を判断するよりも、マネタリーベース・金利・物価と並べて見ることで意味が出てくる統計です。

このデータについて

対象
マネーストック平均残高(M2・M3・M1・広義流動性)
一次ソース
日本銀行「マネーストック」
取得
日銀時系列統計データ検索サイトの主要時系列統計データ表(md02_m_1.csv)
単位
残高は兆円(元データは億円)、前年同月比は %
期間
前年同月比は 1980-01 〜 最新月(M3 は 1997-01 〜、広義流動性は 1981-01 〜)。残高は 2003-04 〜 最新月
残高が 2003 年からの理由
現行の統計が 2003 年 4 月分から始まっているため。旧統計(マネーサプライ)は対象の金融機関や金融商品が異なり、重なる月で約 0.4% の段差があるので接続していません
前年同月比
日本銀行が旧統計と接続して公表している値をそのまま掲載(2004 年 3 月以前は旧マネーサプライ統計ベース)。日本銀行の公表名は「前年比」
頻度
月次(速報は翌月の第 7 営業日頃)
速報・確報
最新月は速報値で、翌月に確報値へ上書きされます
温度判定
行っていません。物価や景気との関係が安定せず、単体で「熱い / 冷たい」を決める基準が無いためです

この統計を最後に取り込んだ日時は 統計データの更新状況 で、掲載中の全統計とあわせて確認できます。