円安は、物価にどう染み込むか — 為替・輸入物価・CPI の連鎖
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スライダーを右に動かすと、その系列が後ろにずれて描画されます。 CPI と山が重なるラグを探してみてください。
米ドル/円・輸入物価指数(円ベース)・CPI 総合(2020 年平均 = 100)
出典: 日本銀行「外国為替市況 東京市場ドル・円スポットレート(FRED 中継)」 / 日本銀行「企業物価指数」 / 総務省統計局「消費者物価指数 長期時系列データ 中分類指数(1970 年 1 月~最新月)」
3 系列はそれぞれ 2020 年平均 = 100 として正規化しています。USD/JPY は値そのものに方向性があり指数ではないため、変動幅の比較目的での描画です(2020 年平均からの相対変化)。最新月が速報の系列(輸入物価)は破線で表示されます。
3 つの指標の役割
- 米ドル/円: 為替の動き。海外から物を買うときの「円の価値」を映す。
- 輸入物価指数(円ベース): 海外から日本企業が買い付ける財の値段を、円換算で集計したもの。為替の動きが直接効く。
- CPI 総合: 国内の小売段階で、家計が直面する物価。輸入価格が原材料・電気代・ガソリン等を経て染み込んでくる。
伝播の経路は米ドル/円 → 輸入物価 → CPIが代表的ですが、すべての CPI 上昇が為替で説明できるわけではありません。 賃金、サービス価格、政府の補助金など他の要因も同時に効きます。 ここで見えるのは「為替が物価に染み込む経路の一部」だと意識してください。
ラグを動かしてみよう
- USD/JPY のスライダーを右に動かすと、為替が動いてから N ヶ月後の輸入物価/CPI とどう重なるかが見えます。
- 輸入物価のスライダーで、輸入価格の変動が CPI に到達するまでのラグも探せます。
- 重なりの山がよく一致するラグが、経済学で言う 「為替パススルー」 の体感版です。値はあくまで参考で、時期や品目によって大きく変わります。
観測されるパターン
過去のデータを 3 ヶ月〜半年程度ずらして重ねると、米ドル/円 と輸入物価の動きがかなり近い形で並ぶ局面が確認できます。輸入物価が一段落して数ヶ月遅れて CPI が動く、という経路もしばしば観察されます。 ただしラグの長さは時期や局面で変わり、コロナ期の供給制約や 2022〜2023 年の資源高、政府のエネルギー補助金など他の要因が同時に効くため、「N ヶ月で必ず波及する」と断定はできません。
上のスライダーで自分の関心のある期間を切り出してパターンを観察してみてください。 「為替の動きで CPI のいまをどこまで説明できるか」の感触をつかむためのツールです。
関連する指標・解説
このデータについて
- 系列
- 米ドル/円(東京 17 時、月次平均)/輸入物価指数 円ベース 総平均(企業物価指数、2020 年基準)/CPI 総合(2020 年基準)
- 基準
- 3 系列とも 2020 年平均 = 100 に正規化
- 頻度
- 月次。USD/JPY は日次データの月平均、輸入物価と CPI は単月公表値
- ラグ
- 0〜12 ヶ月の範囲で系列を後ろにずらせる(左の slider)。debounce 80ms で再描画を間引き
- 期間
- 1990-01 〜 2026-04