けいざいの温度計

貯蓄の構造 — 経済の規模と、家計の蓄え、暮らしの実感

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実質 GDP 経済の規模
+13.1%
2010 年比 / 2026-Q2 時点
家計金融資産 家計の蓄え
+62.9%
2010 年比 / 2026-Q2 時点
実質賃金 暮らしの実感
+44.9%
2020 年比 / 2026 年 6 月 時点

最新値

3 系列を 1 枚に重ねる

実質 GDP・家計金融資産・実質賃金 (2020 年平均 = 100)

左軸: 指数(2020 年平均 = 100) — 出典: 内閣府「四半期別 GDP 速報(QE)」 / 日本銀行「資金循環統計(および資金循環の日米欧比較 sjhiq.pdf)」 / 厚生労働省「毎月勤労統計調査 全国調査 長期時系列表(確報)/ 最新の結果表(速報)」

破線 = 速報値(preliminary)

3 系列とも 2020 年平均 = 100 に揃えています。実質賃金は 2020 年 1 月以降のデータ(『毎月勤労統計』長期時系列表の制約)。GDP と家計金融資産は四半期データを 3 ヶ月単位の階段状で展開しています。最新四半期の GDP と最新月の実質賃金は速報値(破線)。

3 つの指標が見ているもの

フローとストック、全体と個人が同じ枠で見えるので、「経済の成長」「家計の蓄え」「個人の実感」がそれぞれ別軸で動くことが読み取りやすくなります。

観測されるパターン

経済全体が大きくなり、家計のストック(貯蓄)も増えているのに、個人が労働で得る購買力(フロー)は伸びにくい——という構造がチャートから読み取れます。 この背景には人口動態、産業構造、賃金交渉のあり方、税・社会保険料の負担、企業の利益配分、複利で積み上がるストックの効果など、複数の要因が同時に効いています。 ここで提示するのは「観測されるパターン」であり、特定の原因を断定するものではありません。

実質 GDI(国内総所得)という補助線

「実質 GDP は伸びているのに個人の実感が伸びない」理由を、GDP と同じ内閣府データからもう一歩掘り下げられます。実質 GDI(国内総所得)は実質 GDP に交易利得(損失)——輸入品の値段が上がった分だけ実質的な購買力が目減りする、その増減分——を足した値です。

2026-Q2 時点で実質 GDP は 599.0 兆円ですが、実質 GDI は590.5 兆円と8.5 兆円少なくなっています。差の正体は交易利得-8.5 兆円のマイナス。資源高・円安による輸入コスト増が、国内で生産した「量」(実質 GDP)とは別に、実質的な所得を海外に流出させている状態です。

つまり実質賃金の伸び悩みは、家計固有の問題だけでなく、国全体の実質所得(GDI)がそもそも GDP ほど伸びていないという、より上流の構造の一部として説明できる面があります。交易利得の長期推移と詳しい解説は GDP ページ にまとめています。

家計金融資産の構造(参考)

家計金融資産 2,385.7 兆円(2026-Q1 時点)の内訳。総額の伸びと並べると、構成比そのものは大きくは動いていないことが見えてきます。

カテゴリ 構成比
現金・預金 47.2%
保険・年金・定型保証 24.5%
株式等 17.5%
投資信託 7.5%
債務証券 2.1%
その他計 1.2%
合計(参考) 100.0%

※ 「現金・預金」が約半分を占めるという構造の特徴があります。米国との比較や歴史的な構成比の推移は 家計金融資産ページ にまとめています。

関連する指標・解説

このデータについて

系列
実質 GDP(内閣府 QE、季節調整、年率換算、四半期) / 家計金融資産 総額(日銀 資金循環統計、四半期、兆円) / 実質賃金指数(厚労省 毎月勤労統計、5 人以上事業所、月次、2020 年=100)
基準
本ページは正規化モードで、3 系列とも 2020 年平均 = 100
頻度
実質賃金は月次。GDP と家計金融資産は四半期(チャート上は当該 Q の 3 ヶ月に同じ値で展開)
データ範囲の制約
実質賃金は 2020 年 1 月以降のデータ。GDP と家計金融資産はそれぞれ 1994 年・1997 年から取得可能だが、本チャートでは共通比較のため 2020 年を 100 のアンカーに採用
速報・確報
GDP の最新四半期と実質賃金の最新月は速報。チャート上は破線で表示

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