国債残高 — 普通国債と長期債務残高
この指標を発表しているのは 財務省
最新値
- 国債及び借入金の合計( 現在): 1,346.7 兆円
- ├ うち普通国債: 1,110.9 兆円 (合計の 82.5%)
- 年度末 普通国債残高(末): 1,104.3 兆円
- 国及び地方の長期債務残高(末、実績): 1,285.6 兆円 (GDP 比 200.1%)
- ├ 国: 1,134.2 兆円 / 地方: 179.5 兆円 / 重複分(控除): 28.1 兆円
※ これらは大小を並べて比べられる数字ではありません。四半期の「合計」は中央政府だけの債務で地方を含まず、「国及び地方の長期債務残高」は地方を含む一方で政府短期証券などを含みません。時点も年度末と四半期末で違います。何を数えた数字かは下の「どの数字が何を指すのか」で整理しています。
積み上がりの歴史(1970 年度〜)
年度末の債務残高(兆円)
外側の 2 本は借入金なども含む長期債務残高、内側の赤が国債そのもの(普通国債)。
単位は兆円(額面ベース、各年度末時点)。実績値のみを描いており、予算・補正後予算・見込の年度は線を引いていません(性質の違う数字を同じ線でつなぐと実績に見えてしまうため)。普通国債残高は財務省の公表資料が直近 20 年度分しか載せないため、それ以前は空白です。凡例をクリックで表示/非表示を切替できます。
経済の大きさに対する比率
債務残高の対名目 GDP 比(%)
残高そのものではなく、経済の大きさに対する比率。分母が動けば比率も動く。
分子は年度末の債務残高、分母は当該年度の名目 GDP(いずれも財務省が同じ表に併載する値)。GDP の基準は期間で異なり、1979 年度以前は 68SNA、1980〜1993 年度は 93SNA、1994 年度以降は 08SNA です。基準の違う GDP をつないだ比率なので、長期の水準比較は目安として見てください。予算・見込の年度(GDP 側も政府経済見通し)は描いていません。
最新四半期の内訳(2026 年 6 月 30 日 現在)
報道が「国の借金 ◯◯ 兆円」と呼ぶのは、下の合計にあたる数字です。中身は国債だけではありません。
| 区分 | 残高 | 構成比 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 普通国債 | 1,110.9 兆円 | 82.5% | 建設国債・特例国債(赤字国債)など、一般会計を支える国債 |
| 財政投融資特別会計国債(財投債) | 88.3 兆円 | 6.6% | 財政投融資の資金調達のための国債。一般会計の負担ではない |
| その他の内国債 | 12.6 兆円 | 0.9% | 交付国債、出資・拠出国債など |
| 借入金 | 40.5 兆円 | 3.0% | 国が金融機関等から直接借りているもの |
| 政府短期証券 | 94.4 兆円 | 7.0% | 一時的な資金繰りのための短期証券(1 年以内) |
| 合計 | 1,346.7 兆円 | 100% | 中央政府の国債・借入金・政府短期証券の合計 |
※ このほかに政府保証債務が 27.4 兆円 ありますが、財務省の公表でも合計とは別掲で、上の合計には含まれません(国が保証しているだけで、国が直接負っている債務ではないため)。四捨五入のため内訳の和と合計は一致しないことがあります。
Reading guide
どの数字が何を指すのか
国の借金をめぐる数字は、報道でも「◯◯ 兆円」という金額だけが独り歩きしがちですが、数字ごとに対象範囲が違います。このページに出てくる 4 つを整理します。
普通国債残高とは、国の一般会計を支えるために発行された国債(建設国債・特例国債=いわゆる赤字国債など)の残高のことです。財政の議論で中心になる数字で、2025 年度末で 1,104.3 兆円。ここには財投債や政府短期証券、借入金は入りません。
国の長期債務残高とは、普通国債に加えて、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金など、国が長期的に負っている債務を合わせたものです。普通国債より広く、2024 年度末で 1,134.2 兆円。これに地方の長期債務残高を足し、国と地方で重複する分を差し引いたのが国及び地方の長期債務残高(1,285.6 兆円)です。
国債及び借入金並びに政府保証債務現在高とは、財務省が四半期ごとに公表している中央政府の債務残高の集計です。上の表の合計がこれで、普通国債・財投債・借入金・政府短期証券を含みます。報道の「国の借金」に近い数字ですが、地方の債務は含まず、社会保障基金を含む一般政府ベースでもありません。政府保証債務も合計とは別掲です。
国際比較でよく使われる一般政府債務は、また別の概念です。中央政府に加えて地方政府と社会保障基金を含み、部門間の債務を消去し、SNA(国民経済計算)の基準で評価します。IMF や OECD が公表する「政府債務残高対 GDP 比」はこのベースで、上の数字とは直接比較できません。このページでは扱っていません。
もうひとつ、グロス(総債務)とネット(純債務)の区別があります。ネットは政府が持つ金融資産を差し引いた概念で、グロスより小さくなります。ただし政府資産には流動性の低いものや、年金給付に対応するものなど用途が事実上限定された資産も含まれるため、単純に差し引いた額がそのまま「財政余力」を表すわけではありません。
最後に時点の違いです。残高は「年度末という一点」のストックで、GDP や税収、利払費は「1 年間の合計」のフローです。対 GDP 比は、年度末の残高をその年度のフローで割った比率であり、性質の違うものを割り算していることを意識してください(→ フローとストック)。
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この数字を読むときの注意
「国民 1 人あたり ◯◯ 万円の借金」という言い方について。人口で割った値は、規模を調整した参考値にはなります。しかし、それは国民一人ひとりが返済義務を負っている金額ではありません。政府の債務の返済主体は政府で、原資は税や借換えです。このサイトではその割り算をあえて載せていません。数字を人数で割ることで、負担の分配(誰がどれだけ税を負担し、誰が国債を保有しているか)という肝心の論点が見えなくなるからです。
家計の借金とのアナロジーも慎重に扱うべきです。政府には徴税権があり、満期が来た国債を借換えで継続できて、家計のような有限の存続期間もありません。この点で家計とは同じではありません。一方で、利払いが他の歳出を圧迫すること、将来の税や歳出の選択に影響すること、インフレや金利という形で制約が現れることは変わりません。「同じではない」と「制約がない」は違う話です。
残高の増加額は、その年度の財政赤字と一致しません。残高の増減には、借換えの発行・償還のタイミング、現金残高の変化、特別会計や財政投融資の動きなど、収支以外の要因(ストック・フロー調整)が入ります。「今年の赤字はいくらか」を見たいときは、残高の差ではなく歳入歳出そのものを見る必要があります。
対 GDP 比は分子だけで動くわけではありません。比率は残高と名目 GDP の両方で決まります。名目成長やインフレで分母がふくらめば、残高が増えていても比率は下がります。逆に景気後退で GDP が縮めば、残高が変わらなくても比率は跳ね上がります。比率が下がったことを「財政が改善した」と読むのも、上がったことを「財政が急に悪化した」と読むのも、どちらも早すぎる結論です。
評価方法の違いにも注意が必要です。このページの残高は額面ベース(発行額面での集計)です。SNA では市場価格で評価するため、金利が動く局面では両者の差が広がります。異なる評価方法の系列を同じ「兆円」として並べることはできません。
そして、この残高が何をもたらすかは、金利の水準と、誰が国債を持っているかで大きく変わります。金利が上がっても、既に発行された固定利付の国債の利払いはすぐには変わらず、借換えが進むにつれて段階的に効いてきます。日本銀行が国債の相当部分を保有しているという事実も、利払いの流れを考える上で無視できません。金利がいつ・どれだけ利払費に効いてくるかは 国債の利払費 のページで、平均利率と平均残存期間から確かめられます(→ 長期金利、政策金利)。
このデータについて
- 対象
- 年度末の普通国債残高、国および国と地方を合わせた長期債務残高、その対名目 GDP 比、四半期末の国債及び借入金現在高の内訳
- 一次ソース
- 財務省「財政関係基礎データ」1970 年度以降の長期債務残高の推移 / 「国債等関係諸資料」最近 20 カ年間の年度末の国債残高の推移 / 「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」最近 5 年間の推移
- 取得
- 長期債務残高と普通国債残高は公表 PDF をテキスト化して表をパース、四半期の内訳は公表 Excel(suii.xls)をパース。四半期は直近 5 年間のローリング公表なので、取得済みの過去分は JSON 側に保持している
- 単位
- 億円(額面ベース)。サイト表示では兆円に換算
- 期間
- 1970 年度 〜 2026 年度(年度次)/2021-09-30 〜 2026-06-30(四半期)
- 頻度
- 年度次(長期債務残高は毎年 4 月頃、普通国債残高は年度末計数の確定後)/四半期(3・6・9・12 月末、各期末から約 40 日後に公表)
- 実績と予算
- 各年度に status を持たせ、実績・補正後予算・予算・見込を区別している。グラフは実績のみを描画し、予算・見込の年度は線を引かない
- 名目 GDP
- 財務省が長期債務残高の表に併載する年度の名目 GDP。基準は期間で異なり、1979 年度以前は 68SNA、1980〜1993 年度は 93SNA、1994 年度以降は 08SNA。直近 2 年度は政府経済見通しによる
- 温度判定
- なし。残高や対 GDP 比には確立した高低の判定基準がなく、判定を付けると数字の意味を歪めるため
- データソース
- 財務省
この統計を最後に取り込んだ日時は 統計データの更新状況 で、掲載中の全統計とあわせて確認できます。