けいざいの温度計

日銀短観 販売・仕入価格判断 DI

最新データ:

最終データ更新:

この指標を発表しているのは 日本銀行

熱い /大企業 製造業 販売価格 DI(現状)で判定

最新値(

販売価格 DI と 仕入価格 DI の四半期推移

販売価格 DI と 仕入価格 DI(大企業 製造業

単位: DI ポイント。「上昇」と回答した企業 −「下落」と回答した企業。 販売 DI < 仕入 DI のとき、仕入コスト上昇を販売価格に転嫁しきれていない。

赤系(販売)の下に水色(仕入)が来ると、コスト上昇を販売価格に転嫁できている局面。 水色が赤系より上に来る期間は、企業がマージンを削っている局面。

価格転嫁ギャップ — 仕入と販売の差

価格転嫁ギャップ(仕入 DI − 販売 DI)

値が大きいほど、仕入コスト上昇を販売価格に転嫁しきれていない局面。 ゼロ近傍は転嫁が進んだ状態、負は販売価格の方が強含む稀な局面。

製造業 ギャップ
非製造業 ギャップ

何を見るべきか

販売価格・仕入価格判断 DI は、短観の代表指標である 業況判断 DI と並ぶ、企業のリアルな価格感を捉える指標です。コアコア CPI や PPI が「公表された価格」を測るのに対し、こちらは「企業自身の主観的判断」を集計したもので、CPI や日銀の物価見通しの上流に位置します。

数字の読み方は「上昇」と回答した企業 − 「下落」と回答した企業。+30 なら「上昇」が「下落」を 30 %ポイント上回る = 値上げ機運が強い、− 10 なら下落が多数派 = デフレ感、と読みます。

価格転嫁ギャップ(仕入 − 販売)が最重要

販売 DI と仕入 DI を別々に見るより、ギャップ(仕入 − 販売)を見るのが業界の定番。

2022 年のエネルギー価格急騰期にはギャップが +25 ポイント超まで拡大し、企業マージンが大幅に削られました。2023-2025 年は徐々に縮小しつつ、+15 前後で高止まりしています。輸入物価 と並べると、コスト上流のショックが企業マージンを通じて販売価格に染み込むまでのラグが読めます。

CPI とどう連動するか

販売価格 DI は CPI(消費者物価指数)サービス価格・財価格に先行する傾向があります。とくに非製造業の販売 DI はサービス価格 CPI のリード指標として日銀がよく言及します。

仕入価格 DI は 輸入物価指数 と高い相関を持ちます。為替・原油・素材コストが上昇すれば仕入 DI が上がり、それが時間差を伴って販売 DI、最終的に CPI に波及していく構造です。

金融政策判断との関係

政策金利 判断にも影響します。価格転嫁ギャップが縮小し、販売 DI が安定的に正で推移する状況は、需要要因に裏付けられた持続的なインフレを示唆。これは日銀が「賃金と物価の好循環」と呼ぶ局面で、金融正常化の根拠になります。

逆にギャップが拡大し続けるとコストプッシュ・インフレが続いていることになり、企業収益悪化 → 賃金抑制 → 需要弱含み、というネガティブな経路に陥る可能性が議論されます。

温度判定の閾値

このページでは 大企業 製造業 販売価格 DI(現状)を温度判定に使用しています。CPI の上流データとして、値上げ機運の強さを直接的に表すためです:

このデータについて

対象
日銀短観 販売価格判断 D.I.、仕入価格判断 D.I.(大企業 製造業/非製造業、現状+先行き)
一次ソース
日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」計表2「需給・在庫・価格判断」
取得
日本銀行公表の四半期リリース ZIP(GA_J1.xlsx)から自動抽出
期間
2021 年 3 月調査 〜 2026 年 3 月調査(ZIP 形式の電子データ提供開始以降を収録)
頻度
四半期(3/6/9/12 月調査、公表は概ね翌月初)
単位
DI ポイント(%ポイント)。「上昇」と回答した企業の割合 −「下落」と回答した割合
対象企業
大企業のみ収録。中小企業や素材/加工別の細分類は本ページでは未収録
ギャップの定義
ギャップ = 仕入 DI − 販売 DI。正で大きいほどコスト転嫁が遅れている
温度判定
大企業 製造業 販売価格 DI(現状)で判定: < 0 で冷たい、0〜+25 で適温、> +25 で熱い
関連指標
CPI、輸入物価指数の上流データ。日銀の金融政策判断でも参照