機械受注統計(船舶・電力を除く民需)
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この指標を発表しているのは 内閣府
最新値()
- 単月(季節調整値): 10,985 億円(前年同月比 +19.7% / 前月比 +8.7%)
- 3 ヶ月移動平均: 10,751 億円(前年同月比 +15.1%)
- 温度判定はこの 3 ヶ月移動平均 前年同月比 を使用(単月のブレに振り回されないため)
前年同月比の推移(単月 vs 3 ヶ月移動平均)
前年同月比(%)— 単月 vs 3 ヶ月移動平均
単月の YoY は ±20% 以上動くこともある。3 ヶ月移動平均でトレンドを読む。
破線の参照ラインは温度判定の閾値(±5%)。3M YoY がこの範囲内=適温、上抜け=熱い、下抜け=冷たい。
受注額の推移(億円)
機械受注額(船舶・電力を除く民需、季節調整値)
単位: 億円。薄い線が単月、太い線が 3 ヶ月移動平均(トレンド)。
機械受注は単月のブレが大きい統計です。3 ヶ月移動平均で見ると、2008-2009 年(リーマン)、 2020 年春(コロナショック)の急落がトレンドとしても明確に出ています。
Reading guide
何を見るべきか
機械受注統計は、機械メーカー約 280 社が受注した金額を内閣府が月次で集計するもの。1987 年から継続している長期統計で、政府の景気動向指数の先行系列に採用されています。業界・経済記者・政府の景気判断者が、月次のブレを抑えるために必ず 3 ヶ月移動平均 で読むのが常識です。
なぜ「先行指標」なのか
企業が設備投資を計画 → 機械メーカーに発注 → 実際の納入・稼働まで、通常 6〜9 ヶ月の時間差があります。「機械を発注した」という事実は将来の設備投資の予兆であり、機械受注の動きは半年〜1 年後の鉱工業生産・GDP に対して先行性を持ちます。
景気の山と谷を、実体経済の動きより半年〜1 年早く検知できる。これが機械受注を「先行指標」と呼ぶ理由です。設備投資意欲の高まりは将来の生産・雇用・賃金にも波及するため、家計の体感が変わる前にこの数字を見ることで、来期の景気の方向感を読めます。
「船舶・電力を除く民需」とは何か
機械受注総額の中で、最も景気判断に使われるコア指標が「船舶・電力を除く民需」です。民間企業の純粋な設備投資意欲を映す数字として、業界・メディア・政府で「機械受注」と言ったら基本的にこれを指します。
- 船舶を除く理由: 船舶 1 件の受注金額が巨大(数百億〜数千億円)で、月次の動きを大きく歪めるため
- 電力を除く理由: 電力会社の発注は政策・規制に左右され、景気と連動しにくいため
残った「民需」は、製造業・非製造業の民間企業による発注額。これが景気の体温計に最も近い系列です。
月次のブレと 3 ヶ月移動平均
機械受注の単月の前月比は ±10% 以上動くこともあります。これは大型案件 1 件の有無で月の数字が暴れるためで、単月の数字に一喜一憂すると景気判断を誤ります。
業界・経済記者・政府の景気判断は、必ず3 ヶ月移動平均または前年同月比で判断します。このページでは温度判定を3 ヶ月移動平均の前年同月比で行い、トレンドで読む方針です。閾値は ±5%:
- 3M YoY < −5% → 🥶 冷たい:設備投資意欲の冷え込み、景気後退の兆し
- 3M YoY −5〜+5% → 😌 適温:横ばい〜緩やかな増減
- 3M YoY > +5% → 🥵 熱い:設備投資意欲の高まり、景気拡大局面
他の指標との関係
長期金利の上昇は企業の借入コストを押し上げ、設備投資を抑制します。逆に 政策金利 が低い局面では設備投資が動きやすくなり、機械受注に表れます。
実質賃金 や 可処分所得 は同時〜遅行指標で、景気の山が来てから家計に届くまでにラグがあります。機械受注の上昇/下落は、半年〜1 年後の 雇用・賃金にも波及する可能性があります。
円ドル為替 も無関係ではありません。円安は輸出企業の収益を押し上げ、生産能力増強のための設備投資判断を後押しすることがあります。逆に急速な円高局面では輸出企業の投資が手控えられがちです。
機械受注は、半年〜9 ヶ月後に 鉱工業生産指数(IIP) として「実際に動いた生産活動」に表れ、最終的に GDP の数字に反映されます。先行指標(機械受注)→ 一致指標(IIP)→ 結果(GDP)→ 遅行指標(雇用・賃金)の流れで景気の動きを追うのが、定番の見方です。
この指標を扱った分析
このデータについて
- 対象
- 機械受注統計・船舶・電力を除く民需(季節調整値、月次)
- 一次ソース
- 内閣府「機械受注統計調査」
- 取得
- 内閣府公表の長期時系列表 Excel を直接ダウンロード
- 期間
- 1987-04 〜 最新月(1987 年 4 月以降の長期データ、リーマン後・コロナ後の急落も連続して観察可能)
- 頻度
- 月次(公表は約 2 ヶ月遅れ。例: 3 月分は 5 月中旬公表)
- 単位
- 億円(Excel 原データの 100 万円単位を換算)
- 統計表
- 主要需要者別受注額(季調系列・月次)。1987-04〜2005-03 は「<参考>携帯電話を除く」系列、2005-04 以降は現行系列を合成
- 注意点
- 月次ブレが激しい統計。3 ヶ月移動平均でトレンド判断するのが業界標準
- 温度判定
- 3 ヶ月移動平均の前年同月比で判定: < −5% で冷たい、−5〜+5% で適温、> +5% で熱い
- 景気指数
- 内閣府「景気動向指数」の先行系列に採用されている代表指標
- データソース
- 内閣府 機械受注統計調査